こんにちは、エルボン主任です。
タイトルにもある通り、今回の記事では油圧ホースの基礎知識や選定方法などをご紹介していきます。
継手屋さんで働いているとたま〜に問い合わせいただく『油圧ホース』
この油圧ホースなんですが、私が最初先輩の方へ大雑把に教えていただいたのですが・・・
業界歴10年を超えましたが、今だに油圧ホースについては私はあまり得意ではないんですね・・・
私も油圧ホースは不得意の分野なんですが、それでもほんの少しのポイントを押さえているおかげでなんとかお客様からご注文をいただくことができております。
そこで今回は新人の方へ指導する際に必ず教える
- 油圧ホースについて基礎知識
- 油圧ホースの選定方法
- 絶対に押さえておかないといけないポイント
こちらの内容でご紹介していこうと思います。
油圧ホースについて知りたい方や押さえておかないといけないポイントなど初心者の方にはおすすめの記事となっております。
上記3つのうち一つでも気になった方がいらっしゃったらぜひご覧になってください。
https://fitting-note.com/high-pressure-fittings/male-seat-female-seat/
この記事は初心者の方に向けて継手のノート(カタログ)をコンセプトにお作りしております。
記事がわかりやすかった場合や参考になる場合は、見返しができるようにお気に入り登録していただければ幸いです。
それでは参りましょう!
そもそも『油圧ホース』とは?

ではまず油圧ホースをご存知ではない方に向けて、油圧ホースについてご説明いたします。
油圧ホースとは農業機械・設備機械・建設機械といった油圧の力を使って動かす機械に使用されます。
一般的に使用されている機械ではフォークリフト・ホイールローダー・油圧ショベルなどの建設機械や射出成型機やダイカストマシンといった機械や工場の設備に使用されております。
機械などに鋼管を使用した場合、機械の振動で鋼管に亀裂が入り漏れの原因になりますが、油圧ホースは柔軟性があり複雑な構造の箇所にでも施工することが可能です。
圧力に関してはメーカーや商品方式などによって違いはありますが、一般的な油圧ホースの場合は【1.5Mpa〜35Mpa】といった低い圧力から高い圧力まで対応しているホースがございます。
外装ワイヤブレードといった外装を保護するホースもある
一般的に油圧ホースはゴムホースなどを使用されております。
ですが中にはホースの周りへ外装を保護する部品(オプション)が存在します。
それが下記となります。

このように、上の商品は特に何も外装保護部品を取り付けていない通常品となります。
下の商品はホースの外側をワイヤブレード(ワイヤーブレード)といった保護部品を取り付けた商品となります。
この外装保護部品を取り付けるメリットは外傷の保護となります。
外装を金属のワイヤブレードによって保護することにより、摩擦等の外傷から守ることができます。
通常のホースであればホース部分が剥き出しとなっておりますので、施工時に損傷する可能性がございます。
そういった外傷から守るために外装の保護部品があるんですね。
ちなみにですが今回は割愛しておりますが、ワイヤブレードの他に
- 首元スプリング
- 全長スプリング
といった別の保護材もございます。
油圧ホースの選定方法について

ここらは油圧ホースの選定方法についてご紹介いたします。
油圧ホースを注文や見積もりする段階でまず間違いなく必要な情報が下記となります。
- 圧力・流体・温度
- 長さ
- 口金具の種類
- 外装保護の有無
基本的にこの3つがあればが基本的には見積もりや発注することが可能です。
一つずつ解説していきますね。
①圧力・流体・温度
ホースを選定する上で大事なのが【圧力・流体・温度】まずはこちらの条件が必要となります。
油圧ホースは同じ方式の商品でも3.5MPa用・10.5MPa用・21MPa用といった耐圧性能が違ったホースがございます。
もし現場で3.5MPaのホースを使用されており、経年劣化で交換する際に21MPa用を購入してしまうとオーバースペックになりますよね。
もちろん使用することは可能ですが耐圧性能が高いホースになればなるほど価格は高額になりますので、ご利用される圧力をまずお調べし、ご利用される圧力に耐えれるホースを選定するのがコストダウンにつながります。
また、ホースの種類などが選定できない場合は【流体・温度】がご必要となります。
各ホースメーカーでも代表的な油圧ホースがございますが、稀に使用する流体や温度が対応できない場面がございます。
そういった際に、トラブルの原因になりますので、既設でついているホースがわからない場合や、新しくホースを選定する際は流体と温度がわかればメーカーがホースを選定してくれます。
②長さ
次に必要なのは長さですね。
油圧ホースは長さを指定して製作することが可能です。
この長さに関してはお客様からご指示頂かないと製作することができません。
ご利用される箇所などはメーカーは当たり前ですが、存じ上げておりません。
お客様からご指示された長さによって都度製作いたします。
そのため、メーカーが長さを指定して製作することは絶対にありませんので、ホースを注文する際は予め長さを測っておきましょう。
油圧ホースの長さ(全長)とは、口金具の先端からもう片方の口金具の先端までが長さ(全長)となります。
口金具の根本や、口金具につけるアダプターの先端からではございませんのでご注意ください。
③口金具

次にご紹介するのが口金具ですね。
口金具とは、ホースの両端につく金具のことを言います。
この口金具ですが、色々と種類があるんですね。
- 管用テーパーオスねじ
- 管用平行メスねじ (オス30°シート)
- 管用平行メスねじ (メス30°シート)
- SAEフランジ
- 角フランジ
これらの他にユニファイねじやメートルねじといった種類の口金具もあります。
油圧ホースは必ず両端に口金具をご指示する必要があり、この口金具に関してもメーカーが指定することはできません。
お任せ発注ができないんですね。
接続する機械やアダプター(オスシート・メスシート)によって都度変わってくるんですね。
https://fitting-note.com/high-pressure-fittings/male-seat-female-seat/
そのため、油圧ホースを発注する場合は口金具を予め調べておきましょう。
油圧ホースで一番間違えやすいところが口金具の形状となります。
特に口頭でのやり取りの場合は本当に間違えることが多いところとなりますので、必ずミスがないようにしましょう。
④外装保護の有無

最後に重要なのが外装保護の有無となります。
商品選定の前にご紹介した、外装ワイヤブレードや全長スプリングといった外装保護(オプション)の有無ですね。
見積もりや発注などで外装保護について何も記載していなければ、通常何も保護されていない一般品がでます。
メーカーや代理店などもわざわざ「外装はどうしますか?」など基本言わないことが多いです。
通常【外装明記なし=通常品】と認識しておりますので、外装付きで注文したい場合は必ず明記するようにしましょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事を見ていただき少しは油圧ホースについてご理解いただけたでしょうか?
正直私は油圧ホースはかなりの不得意分野ですが、今回ご紹介した内容を先輩に教えていただき、ご紹介した内容を思い出しながら日々対応しております。
ご紹介した内容は、油圧ホースを覚える際や発注する際に必要な重要なポイントとなります。
今後もし油圧ホースを手に取った時や、発注時に必ず役に立つ情報と思いますので、難しいと思いますが、少しでも本記事で理解いただければ幸いです。
ここまでご覧になっていただきありがとうございました。