こんにちは、エルボン主任です。
今回は高圧継手の仲間でもある、油圧用21MPa用管フランジこと角フランジをご紹介していこうと思います。
角フランジってそんなに種類がないですが、末尾がAやBでOリングの溝はどっちがどっちだけっけ?って最初は迷ったりしますよね。
今回は角フランジがそんなに得意じゃない方に向けての記事となります。
- 角フランジのがよくわからない方
- SHA・SHB・SSA・SSBの違いがわからない方
- どういった種類の角フランジあるのか知りたい方
上記に当てはまる方にはぴったりの記事となっております。
今回もわかりやすく、全て画像付きにてご紹介致します。
この記事は初心者の方に向けて高圧継手のカタログ(ノート)をコンセプトにお作りいたしますので、記事がわかりやすかった場合はお気に入り登録も是非よろしお願いいたします。
それでは参りましょう!
油圧用21MPa管フランジ(角フランジ)とは?
まず初めに、油圧用21MPa管フランジ、通称角フランジについてご紹介致します。
フランジとはフランジを2枚重ねて、ボルトで固定して繋げる継手のことをいいます。
【配管継手とは】初心者の方に向けて業界歴10年以上の営業マンが解説!こちらの記事では丸フランジが一般的とご紹介しましたが、高圧継手の油圧用21MPa管フランジは角形となります。
一般的な呼び方は3つあり
- 油圧用21MPa管フランジ
- 角フランジ
- 高圧フランジ
大体このような呼び方で呼ばれております。
主に使われている場所ですが、油圧ユニットや船の配管(油圧)で使われることが多い商品となります。
接続方法は3種類あり
- 差し込み溶接(SW)
- ねじ込み(PT・Rc)
- 突き合わせ溶接(WN・BW)
この3種類の接続方法が一般的となります。
この記事では①の差し込み溶接と②のねじ込みについてご紹介致します。
油圧用21MPa管フランジ(角フランジ)のラインナップ
では継手の販売店で働いている私が思う、この商品のラインナップだけ覚えたら大丈夫!という商品をご紹介致します。
ではまずは日々必ずご注文いただいている、角フランジの溶接式からご紹介致します。
SHA(溶接式)
上記商品が溶接式のSHAという商品となります。
SHAはOリングをはめる溝がついているのが特徴です。
・SHA
・SHA(SW)
・溶接角フランジSHA
・FA-HA
SHB(溶接式)
上記商品が溶接式のSHBという商品となります。
SHAと違いSHBはOリングをはめる溝がなく、平らなのが特徴です。
・SHB
・SHB(SW)
・溶接角フランジSHB
・FA-HB
SHF(溶接式組フランジ)
上記商品が溶接式のSHFという商品となります。
SHFとはSHA+SHB+Oリング+六角ボルト・ナットが全て揃ったセット品となります。
SHAとSHBは対の商品となりますので、上記画像のように組み合わせて使用します。
SHA側にOリングの溝がついており、SHB側は平となっております。
SHAとSHB二つのフランジを合わせてボルトで固定することにより、中に入っているOリングが潰れていき、密閉性を高めることができます。
そのため、SHA同士を組み合わせても使用することができませんし、SHB同士を組み合わせて使用することもできません。
SHAの角フランジを使用する場合は、反対側のフランジは必ずSHBになります。
・SHF
・SHF(SW)
・組フランジ(SHF)
SSA(溶接式)
上記商品が溶接式のSSAという商品となります。
SHAはOリングをはめる溝がついているのが特徴です。
・SSA
・SSA(SW)
・溶接角フランジSSA
・FA-SA
SSB(溶接式)
上記商品が溶接式のSSBという商品となります。
SSAと違いSSBはOリングをはめる溝がなく、平らなのが特徴です。
・SSB
・SSB(SW)
・溶接角フランジSSB
・FA-SB
SSF(溶接式組フランジ)
上記商品が溶接式のSSFという商品となります。
SSFとはSSA+SSB+Oリング+六角穴付きボルト(キャップスクリューボルト)が全て揃ったセット品となります。
SSAとSSBは対の商品となりますので、上記画像のように組み合わせて使用します。
SSA側にOリングの溝がついており、SHB側は平となっております。
SSAとSSB二つのフランジを合わせてボルトで固定することにより、中に入っているOリングが潰れていき、密閉性を高めることができます。
そのため、SSA同士を組み合わせても使用することができませんし、SSB同士を組み合わせて使用することもできません。
SSAの角フランジを使用する場合は、反対側のフランジは必ずSSBになります。
・SSF
・SSF(SW)
・組フランジ(SSF)
LSA(溶接式)
上記商品が溶接式のLSAという商品となります。
LSAはSSAと同様にOリングをはめる溝がついております。
配管を90°に変更したい時に使用いたします。
・LSA
・LSA(SW)
・溶接角フランジLSA
・FA-LA
PT-SHA(ねじ込み角フランジ SHA)
上記商品が溶接式のPT-SHAという商品となります。
ねじ込みタイプですがSHA形状のため、Oリングをはめる溝がついているのが特徴です。
・PT-SHA
・SHA(PT)
・SHA(Rc)
・ねじ込み角フランジSHA
PT-SHB(ねじ込み角フランジ SHB)
上記商品が溶接式のPT-SHBという商品となります。
ねじ込みタイプですがSHB形状のためOリングをはめる溝がなく、平らなのが特徴です。
・PT-SHB
・SHB(PT)
・SHB(Rc)
・ねじ込み角フランジSHB
PT-SSA(ねじ込み角フランジ SSA)
上記商品が溶接式のPT-SSAという商品となります。
ねじ込みタイプですがSSA形状のため、Oリングをはめる溝がついているのが特徴です。
・PT-SSA
・SSA(PT)
・SSA(Rc)
・ねじ込み角フランジSSA
PT-SSB(ねじ込み角フランジ SSB)
上記商品が溶接式のPT-SSBという商品となります。
ねじ込みタイプですがSSB形状のためOリングをはめる溝がなく、平らなのが特徴です。
・PT-SSB
・SSB(PT)
・SSB(Rc)
・ねじ込み角フランジSSB
BL-SHA(閉止角フランジSHA)
上記商品が溶接式のBL-SHAという商品となります。
閉止フランジですがSHA形状のため、Oリングをはめる溝がついているのが特徴です。
・BL-SHA
・SHA(盲)
・閉止角フランジSHA
BL-SHB(閉止角フランジSHB)
上記商品が溶接式のBL-SHBという商品となります。
閉止フランジですがSHB形状のためOリングをはめる溝がなく、平らなのが特徴です。
・BL-SHB
・SHB(盲)
・閉止角フランジSHB
BL-SSA(閉止角フランジSSA)
上記商品が溶接式のBL-SSAという商品となります。
閉止フランジですがSSA形状のため、Oリングをはめる溝がついているのが特徴です。
・BL-SSA
・SSA(盲)
・閉止角フランジSSA
BL-SSB(閉止角フランジSSB)
上記商品が溶接式のBL-SSBという商品となります。
閉止フランジですがSSB形状のためOリングをはめる溝がなく、平らなのが特徴です。
・BL-SSB
・SSB(盲)
・閉止角フランジSSB
番外編:突き合わせ角フランジ(WN-S○A・WN-S○B)
差し込み・ねじ込みの次に突き合わせ角フランジが存在します。
突き合わせ角フランジはSHAやSHB・SSAやSSBの接続部分が突き合わせ(WN=ウェルドネック)形状なのが特徴です。
接続方法が違うだけ、使い方などは全く同じです。
ここを抑えれば大丈夫!角フランジの超簡単な覚え方!
ラインナップで色々とご紹介していきましたが、ここでは角フランジのここだけ押さえておけば大丈夫!というところをご紹介していきます。
角フランジなので形状が全て四角形で似ておりますので、写真で覚えようとすると難しいですよね。
そんな方に向けて、私が新人教育で教える際に、「ここだけ覚えたらとりあえず大丈夫だよ」というところがありますのでそこをご紹介致します。
末尾がAでOリング溝付き、BでOリング溝なし
まず最初に押さえて欲しいのが、
SHA・SHB・SSA・SSB・LSA等商品ラインナップでご紹介してきましたが、末尾がAとBで溝付きか溝なしで違ってきます。
- SS「A」やSH「A」等の末尾が「A」の場合はOリング溝付き
- SS「B」やSH「B」等の末尾が「B」の場合はOリング溝なし
真ん中のスペルが「H」と「S」で使用するボルトが変わる
次に覚えておいて欲しいのが、真ん中のスペルが「H」と「S」で使用するボルトが違うことです。
ラインナップのSHFとSSFで少しご紹介しましたが、こちらでも改めてご紹介致します。
- 「SHA・SHB」と真ん中のスペルが「H」の場合は、六角ボルト・ナットを使用します。
- 「SSA・SSB」と真ん中のスペルが「H」の場合は、六角穴付きボルト(キャップスクリューボルト)を使用します。
SHタイプは簡単でSHB側から六角ボルトを入れて、SHA側から六角ナット締め込み固定します。
SSタイプはSHタイプと違いナットを使用しないで固定します。
それは何故なのかというと、SSBが他の角フランジと違い、四隅のボルトを通す穴が違うからとなります。
SHA・SHB・SSAのボルト穴は貫通穴となっておりますが、SSBのみ四隅の穴にネジが切られております。
そのためSSタイプの固定方法はSSA側から六角穴付きボルトを入れ、SSBの四隅のネジで固定する仕様となっております。
ポイントとしてまとめると下記となります。
- 「H」と「S」で使用するボルトが六角ボルト・ナットと六角穴付きボルトで違う
- SSBは他の角フランジと違い、四隅の穴にネジが切られている
SHの方が一回り大きく、SSの方が一回り小さい
これはそこまで覚えなくてもいいですが、SHAとSSAを並べた時にどっちがどっちかわからなくなった時は、SHの方が一回り大きく、SSの方が一回り小さいです。
そのため大きいのがSHで小さいのがSSとなります。
SHBとSSBを並べた時はSSBは上でもご紹介しましたが、四隅にネジが切られておりますので、すぐにわかると思います。
ですが一応同じサイズで並べた時は大きい方がSHで小さい方がSSで覚えておくといいかもしれません。
まとめ:見た目はほとんど一緒だけど、覚えるところは意外に少ないです
いかがでしたでしょうか?
角フランジの見た目って全部が同じに見えますよね。
私もこの業界に入った時はどっちがどっちか本当にわかりませんでした。
ですが、上記要点を押さえて仕事をしていたら知らずのうちに頭に入っておりました。
私が今の会社に入社した時は商品知識の勉強がなかったので、独学?で私が覚えやすいように頭の中に入れていた要点となります。
そのため初心者の方に向けて、ここだけは覚えておいて欲しい!というところを絞った要点となりますので、是非覚えて頂ければ幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございました!