高圧継手って何?
何キロまで耐えられるの?
PT370の高圧継手って何?
この記事では高圧継手について業界歴10年の私が詳しく解説していきます!
どうも!エルボン主任です!
みなさん高圧継手ってご存知でしょうか?
私は継手業界の二次店で働いており、高圧継手は毎日頻繁に取り扱っているので嫌でも毎日目につく商品でございます。
ですがそんな高圧継手ですが、意外にも職人さんや設計の方など詳しく知らない方が意外にもいるんですよね。
そんなニッチ商材である高圧継手なんですが、私エルボン主任は新人教育で高圧継手を教える機会がたまにあるんですよね。
そこで私が新人教育時に高圧継手はこれだけは必ず覚えて欲しいって言うところがあります。
今回は高圧継手基本知識、ここだけは押さえて欲しい!って言うところを説明していこうと思います。
差し込み継手とねじ込み継手の違い
仕事で高圧継手を使う機会がある
高圧継手を勉強している
上の内容に当てはまる方にはおすすめの内容となりますので、ぜひ最後までご覧ください。
高圧継手とはなに?どういったところで使用する?
それではまず高圧継手の基本的なところからご紹介していきます。
まず高圧継手という名前の通り、高い圧力のところで使用する継手のことを言います。
高い圧力だと漠然としてイマイチわかりませんよね。
低圧継手の耐圧が1.0MPa(条件によっては2.0MPa)が一般的です。
それに比べ高圧継手はそれ以上の耐圧性能があります。
具体的な耐圧は下の「高圧継手の耐圧について」をご覧ください。
高圧継手は主に油圧機器などに使用されることがかなり多いです。
主に
- 工場のプレス機
- 建設機械
- フォークリフト
などが挙げられます。
という疑問もありますよね。
油圧機器とは主に油の圧力を使い、物を動かしたりすること機器のことをいいます。
フォークリフトをイメージして頂きたいのですが、フォークリフトは重たい物を下から上に持ち上げることができます。
1トンの物を持ち上げるのに低圧継手(1.0MPa)を使用した場合、耐えれるわけがありません。
重たい物を油圧の力を使って動かすには耐圧性能がある継手を使わないといけません。
それが高圧継手なんですね。
高圧継手には差し込み溶接継手とねじ込み継手の2種類の接続がある
そんな高い圧力に耐えれる高圧継手ですが、様々な形状の継手があります。
エルボ・チーズ・ソケット・ユニオンなど色々とありますが、それはまた別の機会でご紹介いたします。
高圧継手の位置から勉強するなたり、商品の前に覚えておいて欲しいことがあります。
それが 差し込み溶接継手とねじ込み継手 の2種類の接続があります。
継手を使ったことがある方はご存知だと思いますが、初心者の方もいらっしゃると思いますのでご説明いたします。
差し込み溶接継手について
差し込み溶接継手とは名前の通り、「差し込んで溶接する」継手のことです。
継手にパイプを差し込んで溶接するので「差し込み溶接継手」と言います。
差し込み溶接継手や差し込み継手、SW継手とも言われます。
ねじ込み継手について
ねじ込み継手も名前の通り、「ねじ込む」継手です。
予めねじが切られている継手と、ねじが切られているパイプを、お互いにねじ込み接続するので「ねじ込み継手」と言います。
その為、ねじ込み継手は溶接をしないんですよね。
その代わりに、ねじ込み継手はねじとねじの間に隙間ができますので、シールテープという商品を気密性を高めます。
ねじ込み継手やPT○○(○○=商品名「ソケット・エルボ」)など読んだりします。
二つの商品が組み合わさった、ねじ込みx差し込み継手もある
番外編?になりますが、ねじ込みと差し込みを合わせて「ねじ込みx差し込み継手」というものも存在します。
一つの商品に対して、片側がねじ込み仕様で片側が差し込み仕様の商品となります。
SWxPT○○(○○=商品名「ソケット・エルボ」)と読んだりもしますし、短縮してねじ差しともいったりします。
高圧継手の耐圧について
では次に高圧継手の耐圧についてご紹介していきます。
高圧継手の耐圧ですが、同じ高圧継手でもねじ込みと差し込みで耐圧性能が異なりますし、尚且つメーカーによって補償内容も変わってきます。
その為迂闊に何キロまで耐圧耐えれますとはいえないんですよね。
メーカーのカタログで耐圧性能の項目を見るんですが、大体
「JIS B 2316 表に記載している 鋼管のJISに規定された水圧試験圧力と同等又はそれ以上である事を保証致します」
と書いています。(勿論メーカーによって記載の違いはあります)
鋼管JIS B 3454の圧力配管用炭素鋼管のsch(スケジュール)80の水圧試験下限圧力12MPaと明記しております。
私も仕事で高圧継手メーカーへ耐圧を聞いてみたことがありますが、メーカーによって12MPaもあれば20.6MPaもあります。
もし高圧継手使用時に耐圧が気になる場合は、メーカーへ直接耐圧を問い合わせるのがいいのかもしれませんね。
いずれにしても低圧継手の1MPaと違い、かなり高い圧力まで耐えることができますね。
高圧継手の材質について
継手は主に鉄製とステンレス製の2種類あり、高圧継手も同様に鉄製とステンレス製の2種類があります。
- S25C
- SFVC2A
- A105
- PS370
- PT370
- SUS304
- SUS316
- SUS316L
- SUS304L
鉄製のPS370やPT370は昔の図面で見る機会がありますが、今ではほとんど使われていない表記となり、今ではS25Cの材質表記が一般で出回っております。
ではPS370やPT370は何なのかと言いいますと、本来の高圧継手(JIS B2316)の材料種類の記号となります。
PS370/PT370の材料種類の記号の欄に【S25C(JIS G 4051)・SFVC2A(JIS G 3202)】と表記されているので、主にS25Cが出回っているんですね。
注意点ですが、これはJIS B2316の配管用鋼製差込み溶接式管継手に適用されますので、規格外の商品やねじ込みタイプには該当しないのでご注意ください。
まとめ
最後にまとめになりますが、いかがだったでしょうか?
これを書くにあたり、新入社員へ継手を教える時のことを思い出して書いてみたのですが、ご理解いただけたでしょうか?
JISが絡みますので私自身も復習しながら書いてみたのですが、高圧継手は奥が深い商品ですね。
ですが私が高圧継手を新人へ教える時に覚えておいて欲しいことは、
高圧継手にはねじ込みと差し込みの2種類がある
これを何度も何度も復唱して覚えてもらいました。
これをご覧なっている方で高圧継手初心者の方は、ぜひこの記事を参考にして頂き、まずはねじ込みと差し込みの違いを覚えてから次のステップに行くといいでしょう。
ここまでご覧になって頂きありがとうございました。
今後も継手の記事を書いていきますので、興味のある方は他の記事もご覧になっていってください。
それではありがとうございました。