こんにちは、エルボン主任です。
配管継手を取り扱いして毎日必ずと言っていいほど問い合わせをいただく商品。
突合せ式溶接管継手
通称バッドウェルド(BW)ですね。
バッドやBWと聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それはこの突合せ式溶接継手のことを言います。
この突合せ式溶接管継手ですが、継手業界ではメジャーな継手となります。
今回は突合せ式溶接管継手をメインにご紹介していこうと思います。
本記事も商品紹介では画像付きでご紹介させていただきます。
- 商品を写真付きで知りたい方
- 商品の別の呼び方(別名)が知りたい方
- 突合せ式溶接管継手について興味がある方
こういった方にはおすすめの記事となっております。
この記事は初心者の方に向けて突合せ式溶接管継手のノート(カタログ)をコンセプトにお作りしております。
記事がわかりやすかった場合や参考になる場合は、見返しができるようにお気に入り登録していただければ幸いです。
それでは参りましょう!
突合せ式溶接管継手(バッドウェルド=BW)とは
本記事でご紹介する商品ですが
- JIS B 2311 一般配管用鋼製突合せ式溶接管継手
- JIS B 2312 配管用鋼製突合せ式溶接管継手
- JIS B 2313 配管用鋼板製突合せ式溶接管継手
上記JISでの商品が主に該当致します。
上でも少しご紹介させていただきましたが、突合せ式溶接管継手=バットウェルドとも言ったりします。
バッドウェルドを英語で書くと『Butt Weld』となります。
それが略されて『BW』と呼ばれたりします。
Butt Weldを日本語で訳すと付き合わせ溶接という意味になります。
その名前の通り、突合せ式溶接管継手はパイプと継手を突き合わせて溶接する継手なので、突合せ式溶接管継手と言います。
材質は鉄やステンレスなど様々
突合せ溶接継手ですが、材質は鉄とステンレスがございます。
鉄だとSGP・SGP(白)・PT370・PT370(白)
ステンレスだとSUS304・SUS316・SUS316L
が一般的となります。
(白)と記載している商品は、メッキされてた商品となります。
もちろん上記材質以外もあります。
SUS304LやSUS310Sといった、特殊なステンレス材もあれば、アルミ材の継手もあります。
材質は違っても、基本的な形状は同じとなります。
PT370やSUSにはスケジュール(厚さ)がある
突合せ式溶接管継手ですが、PT370やSUS材にはスケジュール(厚さ)がございます。
スケジュールとは何なのかと言いますと、パイプや継手の厚さを表す呼び方です。
- Sch10=S/10=スケジュール10=スケトウ(スケトー)
- Sch20=S/20=スケジュール20=スケニジュウ=スケニ
- Sch40=S/40=スケジュール40=スケヨンジュウ=スケヨン
- Sch80=S/80=スケジュール80=スケハチジュウ=スケハチ
一般的には上記のような言い方がメジャーです。
スケジュールはサイズごとに決まっており、PT370 S/80 100Aの場合は8.6T(8.6mm)となります。
同じ継手で同じS/80でも100Aの場合は8.6T(8.6mm)で32Aの場合は4.9T(4.9mm)と違ったりします。
難しく思うかもしれませんが、スケジュールは規格で決まっておりますので厚みまでは覚えなくてもいいですが、S/10やS/40といったスケジュールがあるということは覚えておいた方がいいですね。
ちなみにですが・・・
鉄の材質であるPT370の継手はS/40・S/80・S/160がよく一般的にあります。
ステンレス(SUS304)はS/10・S/20・S/40・S/80・S/160と幅広くあります。
SGPの突合せ溶接継手ですが、スケジュールなどの規格などはありません。
これは母材(SGPパイプ)自体に厚みが決まっているからとなります。
突合せ式溶接管継手(バッドウェルド)のラインナップ
ここから先は写真付きで突合せ式溶接管継手(バッドウェルド)をご紹介いたします。
同じ商品でも人によって呼び方が違ったりしますので、よく聞く呼び方含めてご紹介させていただきます。
90°ロングエルボ
上記商品が90°ロングエルボとなります
配管を90°に曲げる時に使用します。
エルボはロングタイプとショートタイプがあり、上記画像の商品がロングタイプとなります。
主な呼び方は下記となります。
- 90E(L)
- 90°ロングエルボ
- 90°ロング
90°ショートエルボ
上記商品が90°ショートエルボとなります
配管を90°に曲げる時に使用します。
90°ロングエルボと比較しても同じ形状で同じサイズでも、ロングの方が曲がりに遊び(余裕)があり、ショートは曲がりに遊びがないような作りです。
主な呼び方は下記となります。
- 90E(S)
- 90°ショートエルボ
- 90°ショート
45°ロングエルボ
上記商品が45°ロングエルボとなります
配管を45°に曲げる時に使用します。
90°エルボと同様に、ロングタイプとショートタイプがございます。
主な呼び方は下記となります。
- 45E(L)
- 45°ロングエルボ
- 45°ロング
45°ショートエルボ
上記商品が45°ショートエルボとなります
配管を45°に曲げる時に使用します。
こちらもロングとショートを比較した場合、かなりの違いがございます。
主な呼び方は下記となります。
- 45E(S)
- 45°ショートエルボ
- 45°ショート
チーズ
上記商品がチーズとなります
アルファベットの『T』の形状をしておりますので、ティーと読んだりもします。
配管を分岐させるときに使用します。
主な呼び方は下記となります。
- T(S)
- チーズ
- ティー
- 同径チーズ
異径チーズ
上記商品が異径チーズとなります。
異径チーズとは名前の通り、径が異なっているので異径チーズと言います。
異径チーズでは通し(横)側が大きく、枝(下)側が小さいのが基本となります。
上記画像のチーズでいうと、50A(①)×50A(②)×32A(③)となります。
主な呼び方は下記となります。
- T(R)
- 異径チーズ
- 異形ティー
同芯レジューサー
上記商品が同芯レジューサーとなります。
配管のサイズを変えたいときに使用します。
同芯とは、レジューサーの芯が同じ位置にあるので、同芯といいます。
この同芯を英語で『Concentric(コンセントリック)』と言い、コンセントレジューサーとも呼ばれます。
主な呼び方は下記となります。
- R(C)
- 同芯レジューサー
- レジューサー
- コンセントレジューサー(コンセントリックレジューサー)
- コンセン
偏芯レジューサー
上記商品が偏芯レジューサーとなります。
同芯レジューサー同様に、配管のサイズを変えたいときに使用します。
偏芯レジューサーは同心と違い、芯の位置が偏ってるので偏芯と言います。
偏芯を英語で『Eccentric(エキセントリック)』と言い、エキセントレジューサーとも呼ばれます。
主な呼び方は下記となります。
- R(E)
- 偏芯レジューサー
- レジューサー
- エキセントレジューサー(エキセントリックレジューサー)
- エキセン
180°エルボロング
申し訳ございません。
180°ロングエルボは手元になかったため、画像が無しとなります。
180°ショートエルボの方は写真付きでご紹介しておりますので、形状はショートエルボの方をご参考していただければ幸いです。
主な呼び方は下記となります。
- 180E(L)
- 180°ロングエルボ
- 180°ロング
180°ショートエルボ
上記商品が180°ショートエルボとなります
これだけ写真がステンレスで申し訳ございません。
配管を180°に曲げる時に使用します。
主な呼び方は下記となります。
- 180E(S)
- 180°ショートエルボ
- 180°ショート
キャップ
上記商品がキャップとなります。
流体を止めたり、配管に蓋をするときに使用したりします。
主な呼び方は下記となります。
- CAP
- キャップ
- 半球キャップ
スタブエンド(ラップジョイント)
上記商品がスタブエンド(ラップジョイント)と言います。
形ですが、シルクハットのような形状となっております。
こちらの商品は、エルボやチーズなどと違って、単体では使われない商品となります。
この商品はルーズフランジといったフランジに使用することで、初めて役割を持つフランジとなります。
詳しくは別の記事でご紹介させていただきます。
- ラップジョイント(LJ)
- スタブエンド
エルボ(ショート・ロング)とレジューサー(同芯・偏芯)の比較・違いについて
ではここでショートエルボとロングエルボの違いや、同芯レジューサーと偏芯レジューサーの違いについてお話ししていきます。
なかなか現物がないと比較することができないため、2個並べて写真を撮りました。
ショートエルボ・ロングエルボの違いについて
まずはエルボについてですが、下記画像をご覧ください。
90°と45°共に左がロングエルボで右がショートエルボとなります。
写真で比較すると、ロングエルボの方が曲がりが緩やかに対して、ショートエルボは曲がりが急になっていますよね。
現場での取付スペースなどの状況によって、ショートにしたりロングにしたりと都度変わったりしますね。
よくお客様より「エルボください」と言われますが、「ロングですかショートですか」という問いかけを何回もしてきましたので、もし突合せ溶接継手のエルボを頼む場合は、ロングかショートを指定してくれると業者からは喜ばれます(笑)
同芯・偏芯の違いについて
次に同芯と偏芯にご紹介致します。
基本的に同芯・偏芯のレジューサーは配管のサイズを変えるということは共通役割となります。
ですが同芯と偏芯でその役目は違ってきます。
商品紹介でも少し触れましたが、同芯は芯が同じ位置にあるので同芯、逆に偏芯は芯の位置が偏ってるので偏芯と言います。
下記画像を見たら違いがよりわかりやすくなると思います。
横からの断面図を見ると芯が違っているのがわかります。
これが同芯と偏芯の違いとなります。
芯の位置が違うため、流体を流したときに、同芯に比べ偏芯は偏流が起きてしまいますので、配管の取り付け方法(横向き等)によっては水溜りや空気溜まりなどが起きてしまいます。
偏流が起きたらいけない場合は、同芯を使用することが多いです。
では逆に偏芯のいいところですが、壁に沿って配管を取り付けしているときに、配管のサイズを変更したいときがあると思います。
そのようなときに同芯レジューサーを使用してしますと、芯が同じのため壁との間に隙間ができてしまいます。
ここで偏芯のレジューサーを使用すると、芯が偏っているので壁に沿って配管を這わすことができます。
もちろん上記以外のような使い方もございますが、私がよく初心者の方へ覚えてもらいやすいように教えている使い方となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
突合せ式溶接管継手はエルボ・チーズ・レジューサーの基本3種類のみとなります。
高圧継手や低圧継手と違い、商品のバリエーションも少ないので意外にすんなりと覚えれるんじゃないでしょうか?
エルボ・チーズ・レジューサーの3種類からロングだったりショートだったり同芯だったり偏芯だったりと少し形状が変わるだけとなります。
基本の3種類をを覚えてしまえば、後の商品は簡単に覚えることができると思います。
もし形状を忘れてしまった時のために、こちらの記事をお気に入り登録して見返していただければ幸いです。
他の記事でも色々な継手をご紹介しておりますので、気になる方はご覧になってください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。