こんにちは、エルボン主任です。
本ブログでは配管継手業界10年で新人教育を沢山してきた私が、継手についてご紹介していきます。
今回はくい込み継手についてご紹介していこうと思います。
この『くい込み継手』という配管継手ですが、一般的に3種類のジャンルがあります。
- 銅管用くい込み継手
- 鋼管用くい込み継手
- ステンレス製ダブルフェルール継手
主にこの3種類がメジャーなくい込み継手となります。
どの継手も同じ『くい込み継手』という商品なんですが、用途や材質、内部の構造が違ったりします。
そこで今回は、私が新人の方へ教える際に「ここを必ず覚えておこう!」というところをご紹介していきます。
- くい込み継手について詳しく知りたい方
- くい込み継手の用途について知りたい方
- 種類別に知りたい方
このような悩みをお持ちの方にはおすすめの記事となっておりますので、是非ご覧になってください。
それでは参りましょう!
そもそも『くい込み継手』とは?
まず初めに『くい込み継手』がどのような継手についてご紹介致します。
くい込み継手とは銅パイプ・鋼管・ステンレス管・などのパイプに継手をくい込ませて使用する継手といいます。
くい込み継手という名前の通り、管に喰い込ませて使用するため、『くい込み継手』といいます。
冒頭でも少しご紹介しましたが、
- 銅管用くい込み継手
- 鋼管用くい込み継手
- ステンレス製ダブルフェルール継手
上記3種類の継手も名前は違いますが、管にくい込ませて使用するという方法は共通となります。
くい込み継手の使い方や仕組み(構造)について
では次にくい込み継手の使い方や仕組み(内部構造)についてご紹介していきます。
くい込み継手が管(銅パイプ・鋼管・ステンレス鋼管)へくい込ませて使用することは先ほどのご紹介ご理解いただいたと思いますが、ではどのようにくい込ませているのかがわかりませんよね。
ではまずどのような仕組み(構造)になっているをご紹介致します。
仕組み(構造)について
このくい込み継手ですが、【ナット・スリーブ・本体】がセットになって使用します。
*下記画像をご覧ください。
上記画像のように【ナット・スリーブ・本体】がセットになって1個の継手となります。
これは単体では機能せず、3つが揃って初めてくい込み継手として機能します。
上記の画像ではスリーブが1個ですが、スリーブを2個使うダブルフェルールタイプという商品もあります。
ダブルフェルールタイプは【ナット・フロントフェルール・バックフェルール・本体】の4つで1セットの商品もあります。
*下記画像をご覧ください。
このくい込み継手は、管をくい込ませるスリーブ(フェルール)が2個付いており、2個のフェルールを使ってくい込ませるので、ダブルフェルール継手といいます。
くい込み継手の使い方について
くい込み継手の仕組み(構造)がわかったところで、実際にどのように使用されるかについてご紹介いたします。
くい込み継手はナット・スリーブ・本体で構成されており、管にくい込ませる部分がスリーブとなります。
上記画像のように管へナットとスリーブを通し、ナットを本体へ回し込みます。
ナットを本体に回すと、中に入っているスリーブがナットと本体の締め付けにより、スリーブが管へくい込んでいきます。
これは本体とナットのスリーブの構造上、ナットを本体へ締め込めばスリーブが管へくい込んでいく形状となっております。
管にスリーブを締めこんでもナットの内径よりもスリーブの方が大きいため、スリーブで管が潰れない限りはナットから抜けることはないんですね。
ナットからスリーブが抜けることがなければ、ナットと本体は固定されておりますので抜ける心配もないということです。
種類について(銅管用・鋼管用・ステンレス製ダブルフェルール等)
では次にくい込み継手の種類についてご紹介いたします。
冒頭で少しご紹介しましたが、くい込み継手には大まかに3つの種類がございます。
- 銅管用くい込み継手
- 鋼管用くい込み継手
- ステンレス製ダブルフェルール継手
これらの継手ですが、同じくい込み継手の仲間ではありますが、用途や材質などが違ったります。
なのでよく出る3つの種類を簡単にご紹介致します。
銅管用くい込み継手
これは名前の通り、銅管に使用するくい込み継手のことを言います。
継手の材質も黄銅製(黄銅メッキ)となります。
上の画像では黄銅製の黄銅色ですが、下記画像は黄銅製のNiメッキした商品となります。
この銅管用のくい込み継手には更に3種類にわけられます。
3.5MPa用のB1タイプ
銅管用くい込み継手の中では一番耐圧が低い継手となります。
B1タイプとは3.5MPa用(約35キロ)のくい込み継手となります。
最高使用圧力は3.5MPa(約35キロ)となります。
銅管用くい込み継手で『B1タイプ・3.5MPa用・35キロ用』と言われたらこちらの継手となります。
15MPa用のBタイプ
次はBタイプのご紹介です。
Bタイプとは15MPa用(約150キロ)のくい込み継手となります。
最高使用圧力は15MPa用(約150キロ)となります。
銅管用くい込み継手で『Bタイプ・15MPa用・150キロ用』と言われたらこちらの継手となります。
ちなみにBタイプとB1タイプでは下記画像のように、同じサイズでも大きさが一回り違います。
ダイキン潤滑機設 チューブ継手
最後に滅多に出ることがない、ダイキン様が出していらっしゃるチューブ継手についてご紹介致します。
こちらはBタイプやB1タイプと違い、最高使用圧力は21MPa用(約210キロ)となります。
こちらはBタイプやB1と比較すると、くい込み継手のゴツさが全然違いますね。
ダイキン製のくい込み継手や、チューブ継手と言われた際は、こちらが該当致します。
鋼管用くい込み継手
次は鋼管用くい込み継手についてのご紹介です。
こちらの鋼管用くい込み継手ですが、主に油圧配管用精密炭素鋼鋼管(OST-2)で使用されることが多いです。
そのほかにもSTS・STPG・STPT
などのパイプに使用することも可能です。
鋼管用くい込み継手は『鉄製のパイプ』に使用されます。
継手自体(本体・ナット)の材質もS25C〜S45C(S48C)となります。
ステンレス製ダブルフェルール継手
最後にステンレス製ダブルフェルール継手ですが、これは名前の通り継手自体の材質がステンレス製となります。
パイプもステンレス製のチューブパイプに使用されます。
仕組み(構造)でご紹介しましたが、ステンレス製のくい込み継手は一般的にはダブルフェルールタイプがメジャーとなります。
スリーブのよくある問い合わせについて
では最後にスリーブについてよくある問い合わせについてご紹介致します。
よくお客様より
- スリーブを再利用したい
- スリーブだけが欲しい
という問い合わせを本当によくいただきます。
今回は、継手屋の目線で上記2点ついて回答させていただきます。
スリーブの再利用につい
スリーブの再利用ですが、これは一度管にくい込んだスリーブを再利用することはお勧めしません。
これはナットを本体に回して締め付ける際に、スリーブにも力が入り変形してしまいます。
そのため一度使用されたスリーブを使うのはおすすめ致しません。
スリーブだけが欲しい
次によくある質問が「スリーブだけが欲しい」ですね。
結論から言うと、スリーブのバラ売りはどのメーカーもやっておりますので、バラ売りは可能なんですね。
では何が問題なのかといいますと・・・
ナット・スリーブ・本体はメーカーによって内部の構造が違っており、互換性がない場合がございます。
そのため、今使われているくい込み継手と新しくご購入するスリーブが同じメーカーや、互換性があるメーカーなら良いのですが、全く互換性がない場合は使用することができないのです。
これがスリーブだけが欲しいと言う落とし穴なんですね。
今回のまとめ
それでは今回のまとめをお伝えいたします。
くい込み継手は通常のねじ込み継手や溶接継手と違い、パイプに直接継手をくい込ませる継手となります。
銅管用・鋼管用・ステンレス鋼管用・ダブルフェルールなど色々と種類はありますが、使用方法はどれも同じとなります。
くい込み継手は他の継手と違い、パイプにくい込ませて使用する変わった継手ですが、油圧の業界などでは頻繁にご利用されるメジャーな商品でもあります。
本記事の内容をある程度覚えておくと、お客様との打ち合わせ時に役に立ちます。
もし覚えるのが難しい場合は、こちらの記事に戻っていただき復習していただければ幸いです。
当ブログは、初心者の方から経験者の方でも読み返したら「あ〜なるほど!」と思うサイトをコンセプトにしておりますので、参考になった方は是非お気に入り登録していただければ幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。