こんにちは、エルボン主任です。
今回はタイトルにもある通り、ボールバルブのボアについてご紹介していきます。
ボールバルブには【フルボア・スタンダードボア・レデューストボア】といった3種類のボアがございます。
ボールバルブという形状や仕組みは同じなんですが、ボアが違うとバルブの構造がほんの少し違ってくるんですね。
そこで今回は、ボールバルブのフルボア・スタンダードボア・レデューストボアの違いを解説していきます。
- フルボア・スタンダードボア・レデューストボアの違いを知りたい方
- ボアの違いで何が変わるのかを知りたい方
- ボールバルブを勉強中の方
このような方にはおすすめの記事となっておりますので、ぜひご覧になってください。
この記事は初心者の方に向けて継手のノート(カタログ)をコンセプトにお作りしております。
記事がわかりやすかった場合や参考になる場合は、見返しができるようにお気に入り登録していただければ幸いです。
そもそも『ボールバルブ』とは?

ボールバルブのボアの構造をご紹介の前に、まずはボールバルブについて解説(復習)していきましょう。
そもそもボールバルブとはなんぞや言いますと
バルブ(弁)の流体を制御する部分(弁体=べんたい)がボール形状になっているので、ボールバルブと言います。
弁体がボールのように球体のため、ボールバルブ(ボール弁)と言います。


ボールの中心に穴が貫通しており、バルブのハンドル(レバーや蝶ハンドル)を操作することにより、ボールが回転することにより流体の開閉を行います。


ボールバルブはそのその見た目の特徴から流体の開閉(ON-OFF)に特化したバルブとなります。
- 操作(開閉)が容易
- 流体の抵抗(圧力損失)が少ない
- 幅広い分野で使用可能
- バルブが小さいため、狭い場所で施工が可能
内部の構造(ボア)について

それでは今回のメインテーマ、ボールバルブのボアについてご紹介していきます。
ボアとはバルブ内部の流路の部分のことを指しており、ボア径はボア(流路)の直径のことを言います。
『ボア=バルブ内部の流路』・『ボア径=流路の直径』と覚えておきましょう。
ボールバルブにはボア径が違った3つの種類がございます。
それがこちら
- フルボア
- スタンダードボア
- レデューストボア
同じボールバルブという商品でも上記のように3種類のボア径があるんですね。
では実際に3つのボアの違いを解説していきます。
フルボア


上記画像がフルボアの内部形状となります。
ボールの直径が配管とほぼ同じとなっております。
この構造から流体の抵抗が少ないため、大量の流体の輸送に適しております。
ですがデメリットとして、ボール自体が大きいため、バルブ本体が大きくなり配管スペースを多く取る必要がございます。
スタンダードボア


次にご紹介するのがスタンダードボアです。
こちらはフルボアと違い、バルブの呼び径よりもボア径が1サイズ小さいのが特徴です。
フルボアに比べて内部が狭くなっていますので、流量が小さくなる且つ流体の抵抗が大きくなります。
流量を最大で必要としない場合や、フルボアよりコンパクトなバルブを使用する場合に適しております。
フルボアと後程ご紹介するレデューストボアの中間と覚えておくといいですね。
レデューストボア


最後にご紹介するボアがレデューストボアです。
レデューストボアはボールの直径が配管の呼び径よりも小さく、1サイズ以上小さいのが特徴です。
ここでポイントなのが、1サイズ『以上』というところです。
スタンダードボアは1サイズという表記ですが、レデューストボアは1サイズ以上という表記になっております。
即ち1サイズ以上に小さい可能性もあるということですね。
レデューストボアはスタンダードボアと同様に、内部が狭くなっていますので流量が少なく圧力損失が大きくなります。
またスタンダードボアよりもさらにコンパクトになっておりますので、設置スペースが限られている箇所では重宝いたします。
購入する際のよくある質問
各ボアをご紹介してきましたが、実際に購入する際にどのボアを使ったらいいかわからなくなったりしますよね。
そこで今回は、ボールバルブを購入する際にお客様からよく質問をされますので、Q&Aしていこうとおもいます。
どっちが安価でどっちが高価なの?
インターネットではバルブの大きさ的にレデューストボアの方が安価と言われたりもしますが、実際は仕入れる業者によってレデューストが高くて、フルボアの方が安かったりします。
私が働いている会社ではフルボアの商品を在庫に置いていますので、フルボアの値段が通常よりも安く入手でき、レデューストボアは都度発注になるため高値になります。
そのためどっちが安いの?という問いに関しては、『仕入れ業者による』がアンサーとなります。
どのボアを使ったらいいの?
ご利用される場所によっては、フルボアのタイプよりもコンパクトなレデューストボアタイプをご利用された方がいい場合もございますし、流量が多い場合は圧力損失が比較的低いフルボアをご利用された方が良い場合もございます。
ご利用される現場や流量など現場によって都度異なります。
そのため、ボアに関しては基本的には現場判断となります。
スタンダードボアとレデューストボアの違いがよくわからない
レデューストボアの内部構造でご紹介しましたが、スタンダードボアは1サイズに対してレデューストボアは1サイズ以上の違いとなります。
画像で
メーカーのホームページを見ても正直詳しい詳細は書いておりませんが、バルブの代理店の方曰く、「1段落ちか2段落ちかの違い」と仰っておりました。
スタンダードとレデューストの違いはメーカーによって捉え方が異なってくることがあるとのことも仰っておりましたので、スタンダートは1サイズ、レデューストは1サイズ以上で覚えておくのが安心ですね。
現場で使用されているバルブがわからない時
たまに現場で使用されていて、メーカーやバルブの型式がわからないので困ってるという問い合わせもいただきます。
その際に私がよくお客様へお聞きしているのが下記となります。
- メーカー名
- ハンドルの色
- サイズ
- 面間(バルブ本体の端から端までの距離)
この4つの情報があれば基本的に調べることが可能です。
この4つの情報に加え、四方八方の写真を頂ければめちゃくちゃ完璧ですね。
正直写真があれば①〜③までは分かりますので、あとは面間をお調べしていただければ調べることができます。
もし現場で使用されているバルブで同じ種類を入手したい場合は、①〜④+写真があれば継手屋さんでは調べることが可能ですので、参考にしていただければ幸いです。
まとめ

- フルボア→スタンダードボア→レデューストボアの順に圧力損失が大きくなる
- スタンダードは1サイズ落ち、レデューストボアは1サイズ以上落ちという覚え方でOK
- フルボア→スタンダードボア→レデューストボアの順に弁(本体)がコンパクトになる
いかがでしたでしょうか?
ボールバルブとは様々なところで使用されているメジャーなバルブではありますが、ボアについては詳しくご存知じゃない方もいらっしゃいます。
私もフルボア・スタンダードボア・レデューストボアの各3種類の違いなど正直全部を理解していませんでした。
色々とご紹介していきましたが、ボアについては上に書いてる3つのポイントを覚えておけば継手屋さんレベルの知識となります。
少しでも本記事でボアについてご理解いただければ幸いです。
ここまでご覧いなっていただきありがとうございました。