こんにちは、エルボン主任です。
今回は管端の形状『プレーンエンド』と『ベベルエンド』についてご紹介していきます。
パイプにはプレーエンドとベベルエンドといった2種類のパイプ端部(開先)の形状があるのですが、ご存知でしょうか?
パイプの端部(開先)の形状ですが、簡単にいうとパイプの両端の形状がプレーンエンドとベベルエンドでは全く違った形状になるんですね。
プレーンエンドとベベルエンドはお客様からご指定が入ることが多々あるのですが、意外にもプレーンとベベルの意味をご理解していないお客様も多々いらっしゃるんですね。
そこで今回は、パイプも取り扱いしている継手屋さんの営業マンが、プレーンエンドとベベルエンドの違いについて、いつもと同じように画像付きでご紹介していきます。
- プレーンエンドとベベルエンドを勉強中の方
- プレーンエンドとベベルエンドの見た目の違いを知りたい方
- プレーンエンドとベベルエンドの使い分けを知りたい方
このような方にはおすすめの記事となっておりますので、ぜひご覧になってください。
この記事は初心者の方に向けて継手のノート(カタログ)をコンセプトにお作りしております。
記事がわかりやすかった場合や参考になる場合は、見返しができるようにお気に入り登録していただければ幸いです。
それでは参りましょう!


管端の形状『プレーンエンド』・『ベベルエンド』とは?

まずプレーンエンドとベベルエンドのご紹介の前に、管端の形状(開先形状)についてご紹介をしていきます。
パイプは当たり前ですが、筒状で中が空洞の管のことを言います。
このパイプ(管)ですが、冒頭でもお話しした通りパイプの両端部分のことを端部と言います。
今回ご紹介するのはこの端部の形状がプレーンエンドとベベルエンドといった2種類の形状についてとなります。
プレーンエンド(PE)について



まずプレーンエンドについてのご紹介です。
プレーンエンドはパイプの端部の面(端面)が何も加工されていない、通常品のことを言います。
プレーンとは特殊な加工が何もされていない、プレーンな(手入されていない)状態の意味となります。
プレーンエンドのぱっと見の特徴としては、パイプの先端が真っ平の形状になっているのが特徴となります。
図面なのではプレーンエンド(Plain End)を略して『PE』という表記で記載されることがあります。
- Plain End (PE)
- プレーンエンド
- プレンエンド
お客様からの問い合わせや図面や見積依頼なのでは上記3種類の呼び方がメジャーとなります。
ベベルエンド(BE)について



次はベベルエンドについてのご紹介となります。
ベベルエンドのベベル(Bevel )とは『斜面・斜角』といった意味がございます。
そのため、ベベルエンドはパイプの端部を斜めに勾配をつけたような加工が施されております。
プレーンエンドは端部が真っ平の状態でしたが、ベベルエンドは端部が勾配になっているため尖ったような形状になっているのが特徴です。
開先の角度ですが、高炉メーカーのカタログをみると30度となっておりますので、高炉メーカーでは30度が標準みたいですね。
図面なのではベベルエンド(Bevel End)を略して『BE』という表記で記載されることがあります。
- Bevel End(BE)
- ベベルエンド
- 開先加工品
お客様からは主に上記のような呼ばれ方をします。
プレーンエンドとベベルエンドの用途(使い分け)について
では次にプレーンエンドとベベルエンドの使い分けについてご紹介いたします。
使い分けと言っても特に難しいことはありませんのでご安心ください。
プレーンエンドの用途

プレーンエンドは端部は特殊な加工がされておらず、平らな形状です。
その形状から
- 溶接フランジ
- ソケット溶接
- パイプのねじ加工
のような使用方法がメジャーです。
また、パイプに加工が施されておりませんので上記以外にも様々な場面で使用することが可能です。
価格もベベルエンドに比べて安価なのもいいところですね◎
ベベルエンドの用途

ベベルエンドは端部が勾配になっており尖った形状となっております。
その形状から突合せ溶接などに適しております。
ベベルエンドの加工を施すことにより
- 溶接の強度が高まる
- プレーンエンドと比べて必要箇所のみの溶接でいいため、溶接が容易になり作業効率が上がる
- パイプと継手の隙間を埋めるため漏れの防止
このようなメリットがございます。
ベベルエンドとは突合せ溶接継手に使用されることが多い商品となります。
またベベルエンドは既に加工が施されておりますので、パイプのねじ加工には不向きとなります。
パイプ問屋によってはベベルエンドを在庫でおいてない場合があり、プレーンエンドからベベルエンドに加工することもあるため、価格も高い場合があるので注意が必要です。
発注時の注意点

では実際に私がパイプをパイプを取り扱いしている際に注意しているところをご紹介致します。
- パイプ問屋の在庫はPEだったりBEする
- 図面や問い合わせでPEやBEと指定があった際は、必ずメーカーへ伝える
以上の2点となります。
一つずつ解説していきます。
まず①ですが、基本的にパイプはプレーンエンドで製作するため、一般的にはプレーンエンドが流通されております。
そのため、基本的にはPEが出回っていると思っていいでしょう。
ですがパイプの問屋ではお付き合いしているユーザー様向けにてベベルエンドでの在庫を置いている可能性もございます。
こう言ったことがあるため、BEやPEと指定がある場合は都度確認を行うようにしましょう。
次に②ですが、発注する際や見積もりする際など、お客様よりPEやBEがご指定ある場合は必ず明記しましょう。
①でも話しましたが、特にご指定などがない場合はパイプ問屋は自社のある在庫で商品を出荷したり見積もりをしたりします。
基本的に見積もりする際や出荷伝票にはこちらが指定しない限り『PE・BE』などの記載は無く、自社にある在庫で対応を行います。
そのため発注する際や見積もりする際などは、ご指定がある場合は必ず明記するようにしましょう!
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はパイプのプレーンエンド・ベベルエンドについてご紹介していきましたが、少しはご理解いただけたでしょうか?
用途や注意点などご紹介させていただきましたが、本記事で一番ご理解いただきたいところは
- プレーンエンドは端部が真っ平(加工なし)
- ベベルエンドは端部が勾配になっており尖っている(加工あり)
この2点となります。
本記事ではこの2点を画像付きでご紹介させていただきましたので、画像で見たら少しはご理解いただけたのではないでしょうか?
こんな感じで配管や継手関係の記事を今後も写真付きでわかりやすくご紹介させていただきますので、ぜひまたご覧になっていただければ嬉しいです。
ここまでご覧になっていただきありがとうございました。