こんにちは、エルボン主任です。
今回は六角ナットの10割と8割についてご紹介いたします。
六角ナットには10割ナットや8割ナット、はたまた6割ナットといった種類がございます。
六角ナットなので形状は同じなのですが、どれも大きさが異なってくるんですね。
そこで今回は、六角ナットの10割・8割について現物の画像を見ながらご紹介していきます。
- 10割・8割ナットの比較画像を見たい方
- 10割・8割がどう違うのか知りたい方
- ナットの知識を深めたい方
このような方にはおすすめの記事となっておりますので、ぜひご覧になってください。
この記事は初心者の方に向けて継手のノート(カタログ)をコンセプトにお作りしております。
記事がわかりやすかった場合や参考になる場合は、見返しができるようにお気に入り登録していただければ幸いです。
それでは参りましょう!
そもそも六角ナットの『10割』・『8割』とは?

冒頭でもお話しした通り、六角ナットには『10割』・『8割』といった種類がございます。
この10割ナット・8割ナットの違いは『 高 さ 』となります。
10割ナットでは高さが呼び径(M10やM16)と同じ高さのため、10割と呼ばれます。
8割ナットでは高さが呼び径の約8割のため8割と呼ばれます。
【10割ナットの場合】
M10の場合は高さが10mm、M16の場合は16mmとなります。
【8割ナットの場合】
M10の場合は高さが8mm、M16の場合は13mmとなります。
10割ナットではネジ径=高さでしたが、8割ナットの場合はネジ径=約8割と『約』がついておりますのでご注意ください。
10割ナットと8割ナットの比較画像
ではここからは実際に写真付きでご紹介していきましょう。
今回は同じサイズで比較するため、M16の六角ナットにてご紹介させていただきます。
まずは10割・8割を並べた画像がこちらです。


このように横から見るとわかる通り、高さが若干違いますよね。
ノギス(測定工具)にて実際に測ってみるとM16の10割ナットは高さ16mmとなってますね。

逆に8割ナットの高さは約12.5mmとなってます。

M16のナットぐらいじゃ真上から見たり、パッと渡されたりしたら8割・10割と気づける自信がないぐらいの差ですね。
ですがこの高さが固定する際に変わってくるんですね。
10割・8割の使い分けについて
では次に10割と8割の使い分けについてご紹介いたします。
基本的にはユーザー様より10割・8割とご指定が入ることが多いので使い分けについてはご紹介する必要もございませんが、一つの参考としてご紹介させていただきます。
10割ナットを使う場合

10割ナットは高さがある分強度が8割よりも高いため、厚い鋼板などを固定する際に使用されることが多いです。
また、衝撃や振動でのネジの緩みを8割よりも防ぐ効果がございます。
基本的に大きな負荷や衝撃や振動での緩みを防止したい場合は10割ナットを使うことが多いですね。
高い圧力がかかるフランジに全ネジボルトとセットでご購入されることも多々あります。
8割ナットを使う場合

8割ナットはナットといえば8割というほどメジャーな商品です。
8割など指定しなくても、ナット=8割というぐらい当たり前な商品ですね。
そんな8割ナットは色々なところで使用可能です。
フランジを固定する際に使用されることもありますし、Uボルトを使ってパイプを固定する際に使用されたりと、使用箇所を特に選ぶことはございません。
高い圧力や厚い鋼板など10割ナットは使用箇所によって選定したりしますが、特に高い圧力もかかることもなければ、振動などで緩む可能性もないのであれば8割でもよろしいのかなと思います。
こちらでご紹介している内容が必ず正解とは限りませんので、設計の方やユーザー様へ確認するのが一番となります。
こちらでご紹介しているのは一つの参考となりますので、ご注意ください。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は六角ナットの10割・8割について簡単にご紹介してみましたが、少しでもご理解いただけたでしょうか?
10割・8割となんのこっちゃと思いますが、10割ナット・8割ナットはネジ径によって高さが違うナットなんですね。
用途もナットなので六角ボルトに使用するという使い方は同じなんですが、高さが違うため強度が全然違うんですね。
ただボルトを固定する際に使用するナットも、使用箇所によっては8割や10割といった使い分けをしないといけない奥が深い商品となります。
今回はそんな六角ナットについてご紹介させていただきました。
少しでも本記事で10割ナット・8割ナットについてご理解いただければ幸いです。
ここまでご覧いなっていただきありがとうございました。