こんにちは、エルボン主任です。
本ブログでは配管継手業界１０年で新人教育を沢山してきた私が、ルーズフランジについて簡単にご紹介していきます。
フランジについてのご紹介は以前簡単なまとめ記事を作っておりますのでそちらをご参照ください。
記事の中でルーズフランジをご紹介しましたが、ルーズフランジは普通のフランジと違ってパイプとフランジを溶接しない少し変わったフランジなんですね。
そこで今回は『ルーズフランジの使い方』についてご紹介していきます。
- ルーズフランジについて知りたい方
- 溶接フランジとの違いを知りたい方
- ルーズフランジの使い方を知りたい方
上記に当てはまる方にはぴったりの記事となっております。
是非最後までご覧になっていってください。
この記事は初心者の方に向けて継手のノートをコンセプトにお作りいたしますので、記事がわかりやすかった場合はお気に入り登録も是非よろしお願いいたします。
それでは参りましょう！
ルーズフランジについてのおさらい
まずはルーズフランジがどんな商品かおさらいしていきましょう！
ルーズフランジは溶接フランジ（SOP-FF)と比べてもぱっと見はほとんど同じ形状です。
唯一違うのがルーズフランジには内径部分に片側のみR加工が施されております。
このルーズフランジには色々な呼び方があります。
- ルーズフランジ
- 遊合型フランジ
- LJ（ラップジョイント）フランジ
主にこのような呼び方があります。
一部のメーカーカタログでは『SOP-LJ』や『LJ』といった表記とされてります。
ルーズフランジの使い方
では次にこの記事のメインでもある『ルーズフランジの使い方』についてご紹介していきます。
通常フランジとは溶接してボルトで固定するのが通常の使用方法となりますが、このルーズフランジは冒頭でもお話しした通りルーズフランジに配管を溶接しないんですね。
ではどうやって使用するのか・・・それは
突合せ溶接継手のスタブエンドという商品と組み合わせて使用しする方法と、パイプをフレア加工して使用する方法の２種類の方法がございます。
①スタブエンド（ラップジョイント）を使って使用する方法
１つ目はスタブエンド（ラップジョイント）という突合せ溶接継手を使った方法があります。
この使用方法が王道の使用方法となります。
ちなみにスタブエンドとは下記画像のような商品となります。
このシルクハットのような形状の継手をスタブエンドといいます。
先ほどご紹介したルーズフランジにこのスタブエンドを差し込むことで施工します。
青色がラップジョイントで黄緑色がルーズフランジとなります。
上記画像のようにパイプとラップジョイントを溶接し、ルーズフランジは溶接をしません。
ルーズフランジをパイプに溶接しないため、ボルト締めする際にルーズフランジを回転させることで自由な位置でボルト締めをすることが可能なんですね。
②パイプをフレア加工して使用する方法
２つ目はパイプをフレア加工して使用する方法ですね。
これは鋼管（パイプ）を専用の加工機にセットし、パイプの先端をシルクハット形状（刀の鍔）に加工することによりスタブエンド（ラップジョイント）を使わないで施工することができます。
フレア加工した写真は容易できなかったため、こちらも漫画絵となります。
この漫画絵のようにパイプにスタブエンド（ラップジョイント）を溶接しないで、パイプに直接加工することで使用する方法もあります。
ルーズフランジを使うメリット
ルーズフランジの使い方がわかったところでルーズフランジのメリットについてご紹介していきます。
メリットは主に４つあります。
- フランジが溶接されてないボルト穴の調整が楽
- 接液部（流体が接するところ）をステンレスにし、フランジを鉄にすることで低コストで対応することができる
- 現溶接しないため現場での取り付けが容易
- 低温低圧、危険のない環境での配管接続に使用可能
以上の４つが挙げられます。
ざっくりまとめると、フランジ固定（溶接）されていないためボルト穴を好きな位置に調整が可能のため、現場での取り付けも早く作業効率がいいんですよね。
またステンレスのパイプにステンレスのラップジョイントを使用しても、接液部（流体が通る部分）がパイプ・ラップジョイントのため、フランジは安価なSS材でも使用することが可能なんですね。
こういった理由からルーズフランジは幅広い場所で使用されております。
使用するパッキンは内面パッキン
このルーズフランジですが、ラップジョイントへ被せて（組み合わせ）使用するため、全面パッキンでは使用することができません。
ルーズフランジにラップジョイントを被せるとフランジの座面に段差（RFのような形状）となるため、全面パッキンを使用して施工することができません。
そのため、必ず使用するパッキンは内面パッキンとなります。
ルーズフランジに全面パッキンを使用しても、密閉力が低いため漏れの原因になります。
なのでルーズフランジ＝内面パッキンと覚えておくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
今記事を見た後にネットでルーズフランジやスタブエンド（ラップジョイント）の施工画像を検索すればもっと鮮明にわかるかと思われます。
今後も様々な商品についてご紹介させていただきますので、継手のことでわからないことがあればぜひまたご覧いなっていってください。
当ブログは、初心者の方から経験者の方でも読み返したら「あ〜なるほど！」と思うサイトをコンセプトにしておりますので、参考になった方は是非お気に入り登録していただければ幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
